そう思って中上級講座の検討をしてる人もいるのではないでしょうか。
基本的に中上級講座は低価格なので魅力的に映ります。
特に伊藤塾は中上級講座が8月31日まで40%OFFなので飛びつきたくなります。
しかし、安さに飛びつく前によく考えてください。
「2年目だから」
「学習経験者だから」
という理由で中上級講座を選ぶのは危険です。
貴重なお金と時間をドブに捨てることになりかねません。
また、そもそも中上級講座は必要でしょうか。
ぼくはほとんどの人には必要ないと考えます。
今回は22歳までに司法書士や行政書士、宅建に合格し、司法試験予備試験にも合格したぼくが司法書士予備校の中上級講座についてぼくが思ってることを話していきます。
それから、各予備校の中上級講座についてもまとめました。
中上級講座を選ぶか迷ってる人は参考にしてみてください。
>>今すぐ伊藤塾中上級講座について詳しく知りたい人はこちら【最大50%OFF!!】
※40%OFFは8月31日までです。
Contents
すべての司法書士受験生に大事なのは基本
司法書士試験合格に大事なのは基本です。
基本というのはテキスト・過去問です。
テキスト・過去問の90%以上(テキスト記載の90%以上ではなく、試験に出るポイントの90%以上)をマスターすれば合格レベルに到達します。
司法書士は基本を徹底すれば受かるわけです。
これは初学者にも中上級者にも共通して言えることです。
両者は同じ試験を受けるんだから当たり前ですよね。
よって、中上級者も基本の徹底が大事です。
一応学習した人に中上級講座は有用か?
中上級講座は「学習経験者」を対象として売り出されています。
しかし、学習経験者でもある程度のレベルに達していない人は初学者と言って良いです。
具体的には2年以上勉強しても午前・午後で10前後の人は、「どこがわからないのかわからない」といった状態でしょうから『初学者』として基本からやり直すべきです。
また、基準点未満の人や基準点にやっと達する人もあいまいな論点が多数あると思われるので、基本的なことを「理解したつもり」になっている可能性があります。
中上級講座はインプット講義のコマ数が少ないし応用的なことも扱うため、基礎講座と比べるとどうしても基本が飛ばし飛ばしになってしまいます。
そんな基本が飛ばし飛ばしの講義を
という人が受けても、理解するのは難しいはずです。
そうすると、基本は身に付きません。
司法書士の膨大な範囲を理解せずに記憶するのは不可能です。
理解するから記憶できるし、試験で思い出せる「使える知識」になります。
なので、基本的な知識が身についていない人がまずやるべきことは「基本の理解」です。
基本を理解するには、基本からしっかり解説してくれる基礎講座が適しています。
そのため、基本が不十分な学習経験者は中上級講座ではなく、基礎講座がおすすめです。
1度予備校の基礎講座を受講しても基本がぐらついてる人もいると思います。
それはその人の勉強法が悪いからかもしれませんが、講師との相性が悪い可能性も高いです。
ぼくの最近の例ですが、ぼくは講師が合わずに予備試験ですごく苦労しました。
当初ぼくが受講したのは柴田孝之先生という評判の講師の講座です。
しかし、努力してもなかなか論文が書けるようになりませんでした。
現状としては書けなくても、将来的に書けるようになる道筋が見えればいいですが、それすら見えなかったんです。
そこで、思いきって講師を今の中村充先生に変えました。
すると、みるみる論文が書けるようになりました。
柴田先生自体は実績が十分だし、悪くありません。
ぼくも悪くなかったと思います。
相性が悪かったんです。
そのため、講師との相性は本当に重要です。
司法書士でも同じです。
講師次第で受験生のできがガラリと変わります。
ある講座を受けても基本が身に付かなかった人は講師を変えてみっちり学び直しましょう。
ちなみに理解をもっとも重視してる講座は、TACの「山本講座」と辰已の「松本講座」だと思います。
他の講座で伸び悩んでた人が松本講座を取って一発合格したという話は聞きますが、おそらく山本講座でも同じことが起こっています。
ぼくが初学者ならどっちを受けるか迷いますが、メインは山本講座です。
記述単体で松本講座を取るのもありだと考えています。
詳しくは下記記事をご覧ください。
>>司法書士試験にコロ助がもう一度ゼロから挑戦するならどうするか?
あと、基礎講座で評判の山村先生の講座等も「2022年司法書士試験受験者限定」で35%OFFになっています。
気になる人はこちらからどうぞ。
>>2022年司法書士試験受験生限定特別割引【伊藤塾公式HP】
※35%OFFは8月31日までです。
実力のある中上級者に中上級講座は必要か?
ここで、中上級講座は「学習経験者」を対象としてますが、その中でも「基準点に数問上乗せできる人」を「中上級者」と定義します。
この中上級者は基本的な「理解」はOKで、「記憶」の定着がイマイチと思われます。
そんな中上級者に中上級講座は必要でしょうか。
中上級講座はコンパクトな講義ですが、コンパクトとはいえ「既に理解してること」を聴き直すのは時間がもったいないし、学習効率が悪いです。
学習効率が悪いのは、「インプット講義を聴く」という行為自体ではなかなか記憶が定着しないためです。
記憶の定着に重要なのはアウトプットです。
インプットよりアウトプットのほうが圧倒的に記憶が定着することがわかっています。
あるアメリカの研究によると、インプットとアウトプットの記憶定着の効率の差は2倍です。
そのため「理解」ができてるなら、テキストや過去問を使って独学でアウトプットして「記憶」に徹したほうが効率よく実力が伸びるので、ぼくならそうします。
実際ぼくは初めての受験(お試しを除く)で基準点を超えたものの不合格でした。
しかし、その後講座は取らずにオートマテキストとでるトコによるアウトプットの繰り返しで翌年合格しました。
ちなみに、その独学の際に使用した教材の詳細は下記記事にまとめたのでよかったらどうぞ。
>>【保存版】司法書士独学でコロ助が使用したテキスト・問題集まとめ
また基礎講座では扱わない応用論点について解説する予備校もあるようですが、合格に必要な論点は基礎講座で網羅されてるはずです。
そうじゃないとおかしいですよね?
もし中上級講座だけで扱う「合格に必要な論点」があるとすると、基礎講座だけでは不十分であり、「基礎→中上級」と予備校の講座を数回取ることを前提とした講座設計になってるからです。
とすると、合格に必要な論点は基礎講座で網羅されてるため、「基礎講座にない応用論点」は「合格に不要な論点」なので学ぶ必要はありません。
そんな合格に不要なマイナー論点を有難がって勉強する「いわゆる中上級者」は司法書士試験合格が難しくなります。
合格に不要な知識を記憶するため、合格に必要な知識の精度が落ちるからです。
それに何が基本かわからなくなって、どれも大切な知識に思えるでしょう。
その結果、復習の効率が落ちます。
よって、基礎講座にない応用論点を頭に入れてもいいことはないので学ばなくてOKです。
何度も言いますが、司法書士試験合格には基本が大事です。
基礎講座を受講して実力がついた人は、予備校で力がついた成功体験から
と自然となるかもしれません。
しかし、実力者のあなたに中上級講座はたぶん不要です。
ゴリゴリ独学してください。
目的意識を持って中上級講座を選ぶならOK
中上級者に対して「中上級講座はたぶん不要です。」と先ほど言いました。
この「たぶん」というのは、人によっては中上級講座が合う人もいるからです。
「基礎講座を終えたから」という理由で安易に中上級講座に手を出すのはよくありません。
しかし、ちゃんと目的意識を持って中上級講座を選ぶならOKです。
まずぼくが考える中上級講座のメリットは3つあります。
- 横断的な知識の整理ができるので応用力がつく
- 費用が基礎講座と比べて抑えられてる
- インプット講義のコマ数が少ないため、アウトプットに時間を割ける
1.横断的な知識の整理ができるので応用力がつく
ある程度点が取れる実力者でも本当に自分が理解できるてるかはわからないものです。
そのため、実力者でも自分の理解度に自信がない人はインプット講義を取る意義があります。
また入門講義だと用語の説明(たとえば、「根抵当権」)から入るため非常にまどろっこしいですが、中上級の講義は用語解説が省略されてテンポよく進むので中上級者に最適です。
さらに中上級講座では、断片的な知識を整理して横断的なものにします。
バラバラで断片的な知識は、たとえその知識が正確でも初見の問題にうまく対応できません。
一方で断片的な知識を関連付けて横断化すれば、知識が体系的になり多角的に考えられるようになるので応用が利くようになります。
応用が利けば初見の問題に対応可能です。
とはいえ、「知識の横断整理・関連付け」は、ある程度学習が進めば自分でできるものだと思います。
ただ自分だけで「気づくタイプ」の受験生もいれば、「気づけないタイプ」の受験生もいます。
なので、「気づけないタイプ」の受験生には、知識の整理を手伝ってくれる中上級講座は有用です。
2.費用が基礎講座と比べて抑えられてる
中上級講座は基礎講座と比べて15~50%ほど安いです。
早割を使うとなお安さが際立ちます。
特に大手の伊藤塾は40%OFFなので狙い目です。
※8月31日までの期間限定です。
3.アウトプットに時間を割ける
先ほど
「記憶の定着にはアウトプットが重要である」
と言いました。
そして中上級者ならインプットはすでに終えているはずです。
よって、中上級者の合格のポイントはアウトプット中心の勉強をして、そこから知識の穴を見つけて埋めていくことにあります。
中上級講座は基礎講座と比べてインプット講義のコマ数が少ないので、インプットをサクッと済ませてアウトプット中心の勉強ができるのがメリットです。
また中上級講座は、カリキュラム内の答練や演習が豊富なのも特徴です。
ただ、アウトプット自体は自分のテキストや過去問を使って独学でできます。
なので、知識の穴を見つけて埋めることも独学でできると思います。
とはいえ、一人では「気づけないタイプ」の受験生もいるはずです。
それに、独学で同じ教材をグルグルやってると、マンネリ化してしまい学習効果が低下しかねません。
学習のマンネリ化を防ぎ、効果的なアウトプットを続けるのに中上級講座内の演習等は有用です。
でもでも、学習がマンネリ化するほど繰り返しアウトプットしてる受験生は専業受験生のごく一部です。
兼業受験生は可処分時間から、テキストや過去問をやって記憶を保持するだけでたいへんなはずです。
よって、基本的にはアウトプットは独学で事足ります。
(ただし、直前期の模試は試験慣れするために必須。
また、記述答練は択一と違って有用。)
優先度的には、
テキスト・過去問>>>演習・答練
です。
手を広げずに同じ教材を何度も繰り返すのが一番伸びます。
中上級者は答練を受けるべき?
「講座はとらないけど、答練は取る」という人が中上級者にはけっこういます。
特にこの時期に申し込むとかなり割引されるので、申し込もうと思ってる人もいるのではないでしょうか。
しかし、答練も基本的に不要です。
というのも、中上級者を含めほとんどの受験生がテキストや過去問といった「基本」をちゃんとやりきれていないからです。
繰り返しますが、優先度的には、
テキスト・過去問>>>演習・答練
です。
本試験では未出の知識が出題されるといっても、既出の知識も多数出題されます。
その既出の知識は、当然他の受験生も対策してくるので、自分が既出に弱いと間違いなく合否に差がつきます。
また、未出の知識を的中させるのは至難の業で、答練で出題される未出の知識はほぼ本試験に出ないし、出たとしてもみんな解けないので合否に影響しません。
これが優先度の違いの理由です。
ちなみにぼくは答練を一度も受けませんでした。
テキストの知識の定着が甘かったからです。
とはいえ、答練も受ける意義があります。
答練を受ける意義は
- 初見の問題を解いて実戦感覚を養う
- どの順番でどんなペース配分で解くのがベストか確かめる
などです。
基本的には模試と同じなので以下の記事を参照ください。
>>【結果は無視!】司法書士試験の模試を受ける本当の意味とは?【ベストを尽くそう】
あと、択一と比べて記述は初見の問題を解くのが非常に重要です。
その初見の問題を解く機会として答練はすごく有用です。
ぼくは答練は取らなかったのですが、『ハイレベル問題集』というTACの記述答練が載っている問題集を買ってやりました。
実戦経験が不足していたぼくには超絶有難かったです。
しかし、記述の実戦経験を積むには過去問もあるし、初見対策は直前期の模試や3月の伊藤塾プレ模試もあります。
それに、実戦経験云々以前に基本が定着してないとどうしようもありません。
なので、記述の基本がさっぱりな人はオートマ記述式等の基本問題集やひな形をやってください。
答練はその後です。
(ぼくが『ハイレベル問題集記述式』を買ったのは本試験2週間前です。
さすがにこれはギリギリすぎますが、やはりまずは基本です。)
中上級者も基本を怠ると「答練番長」になりかねません。
そのため、あくまでもメインは
- テキスト
- 過去問
- 記述基本問題集
- ひな形集(テキストでひな形を覚える人には不要)
というのは貫いたほうがいいです。
おすすめ司法書士予備校・中上級講座は?
おすすめ予備校・中上級講座は人によります。
評価等をまとめたので下記記事をご覧ください。
>>【基本不要!】司法書士試験予備校中上級講座まとめ【比較・評価】
さいごに
ぼくは中上級講座が必要だとは思いません。
ほとんどの人は中上級講座ではなく、自学自習が伸びます。
もし基本の理解が足りていないのなら基礎講座を取りましょう。
それが遠いようで近道です。
とにかく講座を取るにしても取らないにしても、すべての人に言えるのは「ちゃんと独学を継続できるか」が司法書士試験合格のカギです。
(講座を取っても自分でテキストや過去問をやりますよね。)
効果的な勉強を継続して基本をマスターすれば司法書士試験は受かる試験です。
あなたが翌年に合格することを心から願っています。
※この記事を読んだ人は以下の記事も読んでます。
記事読ませてもらいました。
債権改正だけ中上級講座取るのはアリですか?
それよりも、オートマ民法改正対応版を今から買って読んだ方が良いんですかね?
迷ってます。
フウさん、お久しぶりです。
記事を読んでいただきありがとうございます。
フウさんはすごく実力がある方なので、債権改正だけ取るというのはすごくいいと思います。
中上級講座もアリだと思いますが、まったく新しく勉強するものなのでぼくなら基礎講座を取るかもしれません。
受験生の話を聞くと、改正民法を頭に入れるのはけっこう骨が折れるようなので早く勉強を始めたほうがいいと思います(ぼく自身は口述試験への望みが0ではないので、まだ改正民法は目に入れないようにしています)。
独学でスイスイ頭に入るならオートマ独学でもいいと思います。
オートマ民法改正対応版自体は、予備校と比べて高くないのでとりあえず買ってやってみるといいかもしれません。
それでスイスイいくなら継続して、難しいと思ったら予備校にすればよいと思います。
返信ありがとうございます!
今年は基準点は超えたと思いますけど、記述の自信がないです。
択一も午前はお釣りが少ない状況です。
今からオートマ民法改正版買うと、2ヶ月半後に新刊出るらしいので買うか迷ってます。
待った方が良いのでしょうか?
あとは、改正法に対応するために答練も必要ですか?
かなり債権改正法、手強そうです。
今年も記述が難しかったみたいですね。
力があるフウさんの合格を心から願っています。
すいません、秋ごろに毎年オートマの新刊が出ることを忘れてました!
ただ、2か月半後となると少し長い気がします。
今出てるものは改正民法の第1版でおそらく誤植が多いと思うし、新刊が出てそれに買い替えることを考えるとさらに費用がかさみます。
しかし、来年を見据えると真っ先に勉強すべきなのは改正民法であり(おっしゃるとおりかなり手強い)、それを2か月半勉強できないとなるとよくないと思います。
よって、ぼくならまず今出てるものを買って、新しいのが出たら買い替えるかな(もしくは買い替えないで同じものを使う)と思います。
アウトプットは基本的に改正に対応したテキストとでるトコがあればいいと思います。
なので改正法に対応するための答練も必要とは思いません。
基準点プラス5~6問ぐらいしか稼げなかったのと、不登法自信ないですね。
でも、発表まで何もしないのは勿体ないので、動きます。
2ヶ月半あれば一通り改正法やれますもんね
その2ヶ月半の穴埋めのために、民法だけパーロー取ろうかなって思ってた次第です。
アウトプット系の講座は直前期の模試だけで十分って事なんですか!?
記述は本当に結果発表までどうなるかわかりませんが、もしもの時を考えて動いておいたほうがよさそうですね。
おっしゃるとおり、2ヶ月半もあればインプットはある程度できます。
パーローのことはぼくよりフウさんのほうが詳しいと思いますが、フウさんのTwitterを見るとパーローよりオートマなのかなとも思っちゃいます。
もし講座を取るのであれば、山本先生の改正民法講義だけを取るのが適してるのではないでしょうか。
ぼくは基本的に模試だけで大丈夫という認識です。
大丈夫というより、優先度がテキストや過去問といった「基本」のほうがずっと高いと思っています。
ただ、記述は直前期の模試だけだと心もとない気がします。
そのため、ぼくなら本試験形式の問題を解くために答練を解くと思います。
しかし、これもオートマ記述式をある程度究めた後の話です。
パーローは図表整理出来る点がかなり良いです。
ですが、今年の試験の直前期もオートマばかりやってました。
プレミアも使ったんですけど、不要だったかもw
山本先生の改正講座取りつつ、既刊のオートマシステム民法改正版を買って、出るトコと併用した方が合うのかな?と思ってます。
記述もオートマのみで合格レベルには行きますよね?
色々講座等ありますけど、いかに手を広げずにやるかが大事ですよね!
図表にまとまってるテキストは早く回せそうなのでそこに利点がありますね!
ただ、ぼくは図表からはあまり頭に入らないタイプなのでちょっと合わなそうですw
そして今年も直前期はオートマだったんですね!
プレミアが必ずしも必要とは思いませんが、使って合格される方もいるので有用ではあると思います。
「山本先生の改正講座取りつつ、既刊のオートマシステム民法改正版を買って、出るトコと併用」
ぼくもこれをすると思います。
ぼくはオートマ記述式で合格レベルに行きました。
あとはその実力をうまく本番で出せるように過去問を解いたり、模試・答練で実戦感覚をつけたほうがいいかなと思います。
おっしゃるとおり、手を広げずに繰り返しするのが大事です!
はい。ですが、オートマ過去問の方を重視して、オートマテキストの読み込みが不十分だったですけどね。
とりあえず、講座等の検討して勉強開始して行きます!