司法書士受験生が行政書士試験を受けないほうがいい理由

兼業受験生
司法書士の自己採点は基準点に届かなかった。。今は行政書士の出願期間だから受けようか迷ってる。

 

そう思って本命は司法書士でも、行政書士試験を受けようか迷ってる受験生もいるのではないでしょうか。

実際ぼくも基準点に力が達していない段階で行政書士を受けてたのでその迷いはよくわかります。

 

ぼくが行政書士を受けてたのは、当時の自分には司法書士は難しくて合格が非現実的に思えたため、

コロ助
まずは行政書士!そこからステップアップしていこう!

というのがあったからです。

 

しかし、基準点に達していない兼業受験生(司法書士受験生の多数派)の行政書士受験は「司法書士最短合格」という観点からはダメです。

ぼくは止めます。

 

その理由は

  1. 行政書士がそもそも難しいうえ、特有の科目がある
  2. 司法書士も難しいから兼業受験生は司法書士だけでも大変

ということにあります。

 

ただし、兼業でも「基準点を突破してる人」や「モチベが上がらない専業受験生」が行政書士を受けるのはおすすめです。

 

その理由は

  1. モチベが上がるから濃い勉強を継続できる
  2. 受かれば自信がつく(特に基準点突破者の合格可能性は高い)

ということにあります。

この理由があるため、基準点突破者や専業受験生は行政書士を受けることが「司法書士最短合格」につながります。

 

本記事では、司法書士も行政書士も22歳までに取得したぼくが上記理由を掘り下げて話していきます。

基準点突破してない兼業受験生に行政書士受験がダメな理由

行政書士を受けたことがない人は知らない人も多いと思いますが、行政書士は難しいです。

ぼくは3回目でやっと受かりました。

 

たしかに落ちた2回は行政書士の難易度うんぬん以前に、下記のようなぼくの未熟なところにも原因があります。

  • ぼくの覚悟足りなくて勉強量が少なかった
  • ぼくの力が足りなかった
  • 合宿免許に行ってたら、行政書士の記憶を喪失してしまった

 

とはいえ、やはり行政書士は難しいです。

行政書士は司法書士と同じように「誰でも受けられる試験」です。

なので、母集団のレベルが同じだと仮定すると、司法書士の上位約10%に入らないと行政書士は合格できません。

 

このことから、行政書士が難しいことがわかると思います。

(ただ、実際は司法書士のほうが母集団のレベルが高く、司法書士の上位約10%に入らなくても行政書士に合格できるでしょう。)

 

また、行政書士には司法書士では問われない行政法や一般知識が問われます。

 

行政法は一番配点のウエイトが高い重要科目です。

この行政法は司法書士の科目との関連がまったくないとは言いません(行政訴訟法は民訴と似た要素があるし、国賠は民法の不法行為や憲法とつながりがあります)。

でも、行政法が司法書士に直結してるわけではないので、司法書士合格を考えると遠回りになります。

 

一般知識も司法書士では問われないし関連性も皆無です。

そのうえ足切りがあるのがクセ者です。

そのため、一般知識のためにもある程度の時間を費やす必要があります。

 

しかし、兼業受験生はとにかく時間がありません。

そのただでさえ少ない貴重な時間の相当な部分を行政法や一般知識に費やして良いのかという話です。

 

今年の本試験を受けた人ならほとんどが

「もっと勉強時間があれば。。」

と思った人ばかりだと思います(専業もそうやって思いますが、たぶんレベルが違います)。

それに、基準点を突破していないのなら司法書士でまだ伸びしろもあります。

 

また、まだ本試験を受けたことがなく、全範囲の学習を終えていないを兼業受験生はなお司法書士対策に絞る必要性が高いです。

司法書士は範囲が膨大で1周目を終えるのが大変だし、繰り返して定着させるには時間がかかるからです。

 

このように基準点を突破していない兼業受験生は、行政書士のダブル受験はデメリットが大きいのでお勧めしません。

基準点突破者が行政書士を受けるのがおすすめな理由

先程も述べた通り、基準点突破者が行政書士を受けるのがありな理由はこんな感じです。

  1. モチベが上がるから濃い勉強を継続できる
  2. 受かれば自信がつく

モチベが上がるから濃い勉強ができる

特に基準点突破者はある程度の学習期間を費やして、本試験までもやり切ったという人も多いと思います。

そんな人はやり切った故に司法書士の勉強に身が入らない人もいるはずです。

ぼくも実際そうでした。

 

参考:モチベが上がりません。

※結果論ですが、この年は司法書士に受かってました。

 

「1日〇時間は勉強する」と決めて机に向かっても、ほかのことを考えてしまって集中できず、本試験前の濃度が戻らないんですよね。

かといって、まったく勉強しないのも罪悪感を感じるので苦しいです。

 

そこで、モチベが上がらず罪悪感を感じてる受験生にお薦めなのが「似てるけど違う試験」の勉強です。

そして、行政書士は憲法・民法・商法(会社法)と科目が被っているため、「似てるけど違う試験」に当たります。

 

「違う試験」の何が良いかというと気分転換になりモチベも上がることです。

これまでとは違う教材を使って心を新たに勉強できるから気持ちに身が入るんです。

そのため、本試験後の勉強習慣も良い感じに保つことができます。

 

また、「似てる(科目が被ってる)」ため、違う試験の勉強が本命の試験の勉強にもなります。

 

こんなふうに司法書士と「似てるけど違う試験」である行政書士は、司法書士受験生がモチベを上げながら勉強する科目に最適です。

(ちなみにぼくは司法書士に受かる前年に「似てるけど違う試験」の宅建を勉強してました。)

 

 

さらに、司法書士は来年の7月なのに対して行政書士は今度の11月なので「締め切り効果」も働きます。

 

テストの前日や仕事の締め切りなど、締め切りが間近に迫ると驚異の集中力を発揮してやることを終わらせた経験がある人も多いと思います。

それは「締め切り効果」のおかげです。

目標が近くにあったほうが人はモチベが上がって頑張れるんです。

 

そのため、行政書士のほうがより試験が近いため勉強に身が入ります。

そうすると、濃い勉強ができます。

憲法や民法、商法も良い感じで勉強できるでしょう。

なので、行政書士対策をしながら本試験時のレベルを維持することも可能です。

 

基準点を突破したら、そこから力を落とさないようにするのが大変です。

でも、行政書士の勉強をすることでモチベを上げて力を維持できるので、行政書士対策は「司法書士最短合格」につながります。

受かれば自信がつく

基準点突破者には受験が長引いてる人も多いと思います。

コツコツ勉強して基準点を突破してるだけでもすごいことです。

 

しかし、「合格」という結果を出すまでは周りは認めてくれません。

そのため、試験勉強は頑張ってるのに孤独で辛いし、メンタルもやられます。

肩身は狭く、「身分」が低いゆえに心無い言葉をかけられたことがある人もいるでしょう。

(ぼくは今は予備試験受験生ですが、心無い言葉は稀に特定の人から受けます。クソ悔しいですけどね。)

 

そんなふうになってくると段々

「本当に自分は何をやってもダメな人間だ。」

「こんな自分は何回受験してもこの試験はダメなんじゃないか?」

と自信を失ってしまいます。

 

適性がないと思って見切りをつけるのも大切ではあります。

試験勉強ばかりがすべてではないし、自分が活きる世界はどこかにあるからです。

 

しかし、「司法書士最短合格」という面では見切りをつけるのはよくありません。

そこで大事なのが自信を取り戻すことです。

 

自信を取り戻すのに手っ取り早いのは成功体験を積むことです。

ぼくは司法書士合格の前年に宅建に受かりましたが、あれは嬉しかったですよ。

司法書士と同じ法律系の資格だからなお自信がついたと思います。

参考:小さな成功体験が大きく飛躍する糧になる!宅建士試験を受けて本当によかった話。

 

こんなふうに行政書士でも宅建でも受かれば、嬉しいしめっちゃ自信がつきます。

「行政書士(宅建)に受かったんだから司法書士も受かる!」

と。

 

それに、行政書士や宅建を持っていれば独立開業や就職も有利になります。

なので、プレッシャーが減り、普段の勉強や本試験で実力を出しやすくなります。

 

基準点突破者なら、行政書士合格可能性は高いのです。

そのため、行政書士挑戦が司法書士最短合格に繋がります。

基準点を突破していない兼業受験生にも上記のことはあてはまるが…

  1. モチベが上がるから濃い勉強を継続できる
  2. 受かれば自信がつく

ということは「基準点を突破していない兼業受験生」にもあてはまります。

 

ただ、それらのメリット以上に「時間がなくて仕方がない」という人も多いでしょうから、「司法書士短期合格」という観点ではやはりお勧めしません。

 

ちなみに、兼業であれば基準点突破者でも時間がない点は同じです。

 

しかし、基準点突破者なら法律の素養がある程度できあがっています。

そのため、少ない可処分時間で行政法を半分ちょっと取れるレベルまで行く可能性が高いです。

(「半分ちょっと」というと少ないと思うかもですが、民法等の被ってる科目で点を稼げば行政法は半分ちょっとで受かります。)

 

さらに、一般知識の情報通信・個人情報保護も一部法律問題なので、基準点突破者は比較的取りやすいです。

また、基準点突破者なら民法等で点を稼ぐこともできるでしょう。

 

このように「短時間で行政書士合格レベルまで持って行けるか」が基準点を突破してるか否かの違いです。

 

とはいえ、基準点を突破した瞬間に黒が白になるわけでもなく、グラデーションです。

なので、基準点から大きく上乗せできてる人は兼業でも本当に行政書士受験をお勧めします。

一方で、基準点ピッタリくらいの兼業受験生であれば、行政書士対策のマイナスが大きい場合もあります。

専業受験生が行政書士を受けるのがおすすめな理由

基準点を突破してなくても専業受験生なら行政書士を受けるのはありです。

兼業受験生と違って、専業受験生が勉強に費やせる時間は長いからです。

 

  1. モチベが上がるから濃い勉強ができる
  2. 受かれば自信がつく

というのも専業受験生にあてはまります。

 

ちなみにぼくは学生で専業受験生だったこともあり、司法書士の全範囲の学習を終えていない初学者段階(商法・商登法まで終了)でも行政書士の勉強をして受かることができました。

 

翌年の司法書士は5点足りずに落ちましたが。

とはいえ、(司法書士に受かったから言えるのですが)その年は運悪く落ちた感もあり、その翌年に3ヶ月で司法書士に上位合格したことを考えると、行政書士挑戦はやってよかったです。

 

(「司法書士最短合格」という観点でよくなかったのは、行政書士試験後にネットビジネス(YouTube)を始めたことだと思います。)

 

このように専業受験生なら、初学者でもだらけてしまう人は行政書士受験はありです。

使える時間が長いゆえに試験が遠いと締まりのない生活を送る人も多いので、行政書士受験により濃い時間をすごすことは学習習慣の維持・勉強効率の点でメリットがあります。

行政書士に受かれば自信もつきます。

 

一方で、どんどん司法書士の勉強ができる初学者の専業受験生は司法書士の勉強に専念したほうがいいです。

司法書士と行政書士は違う試験なので、「どんどん勉強できる」のであれば司法書士の勉強だけしたほうが合格可能性が上がります。

さいごに

本命の試験以外の勉強することはリスクもつきまといます。

なので、「基準点突破者」でも特に兼業受験生は自分の力量や可処分時間から行政書士に挑戦するか慎重に決める必要があります。

リスクとリターンを天秤にかけて決めましょう。

また、基準点を突破していない兼業受験生は何度も言う通り行政書士はおすすめしません。

 

でも、「基準点突破者」と「専業受験生」の2つの要素を満たすなら、ぼくは行政書士受験を「非常におすすめ」します。

兼業であっても、上乗せ点をだいぶ稼いでる人も「おすすめ」です。

専業受験生でモチベが上がらない人にもおすすめです(過去のぼくには激押し)。

 

とにかくぼくは行政書士試験に挑戦する司法書士受験生を応援しています。

補足:司法書士試験撤退を考えてる人にも行政書士試験はおすすめ!

以下のツイートの通り、司法書士試験撤退を考えてる人にも行政書士試験はおすすめです。

 

 

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