「司法書士の認定考査は簡単。それなりに勉強しておけば落ちない試験。」
「落ちた人は仕事が忙しくて勉強できなかった人。」
「予備校を使わなくても合格できる。」
そうやってよく言われますが、それらの情報はもう古いかもしれません。
簡裁訴訟代理等能力認定考査の合格率は年々下がり、ここ3年は60%を切ってます。
そして今年の考査の合格率は43.1%でした。
3~4%の壁を突破した猛者の半数以上が落ちる試験。
これをぼくは「簡単」なんて言えません。
それにぼくは今年の認定考査試験に合格しましたが、実際に受けて難しく感じました。
「今年は受験生のレベルが低かった。」
という声もありますが、受験生のレベルはそうそう落ちないし、問題の難易度が上がったと考えるのが自然でしょう。
とにかく認定考査は難化の一途をたどっているのでそれなりの対策ではヤバいかもです。
なめると落ちます。
そこで今回は、認定考査7位合格のぼくが認定に落ちないためにやるべきことを紹介します。
Contents
使用教材はこの3つでOKです
認定対策に日司連の指定図書を読み漁るなんてしなくても大丈夫です。
読むべき本は限られています。
基本的に次の3つをやっておけばOKです。
- 要件事実の考え方と実務
- 司法書士 簡裁訴訟代理等関係業務の手引
- 新問題研究要件事実
ちなみにぼくは辰已の合格祝賀会に参加したため割引で購入できました。
要件事実の考え方と実務
いわゆる「カトシン本」です。
ぼくはこれを何度も回して勉強しました。
認定考査の要件事実はこの1冊があればバッチリです。
ただ、試験に出題されないような論点もたくさん載ってます。
そのため、独学だとどこが試験に出るかわからず、「全範囲勉強する」という非効率なことになりけっこうたいへんです。
なので辰已の認定考査対策講座を受講するのをおすすめします。
また、本書は予備校のテキストとは違い、学者の基本書っぽい感じなので予備校本ばかり使って勉強してきた人にとっては少し使いづらいかもしれません。
司法書士 簡裁訴訟代理等関係業務の手引
「代理権の範囲」と「司法書士倫理」はこの1冊でOKです。
この本も独学だとどこを勉強していいか少しわかりにくいですが、Q&Aと事例問題を完璧に近づければ基本的に大丈夫です。
あと、この本は司法書士の新人研修で唯一
「これ出してください。」
と言われて講義で使ったテキストと記憶しています。
そのため、本書だけは買っておいたほうがいいです。
新問題研究要件事実
この本は辰已の講座の指定図書だったので少し使いました。
ただ、使ったのは少しだったので上記2冊と比べると重要度は低いです。
でも、中身はすごくわかりやすいです。
予備試験の民事実務対策としてよく使われてるようで、司法試験予備校の先生や司法試験合格者が薦めてくれました。
なので良き一冊です。
辰已の講座を取ろう
辰已の祝賀会に参加して、辰已の認定対策講座を無料で受講できる権利を得た人は、せっかくなので受講しましょう。
先ほども言いましたが、独学だとカトシン本でどこを勉強すればいいのかわからず困ります。
(司法書士試験だとオートマなどのテキストを全範囲満遍なく勉強すればいいんですけどね。)
そのため、勉強すべきところ・しなくてもいいところを知るために受講すべきです。
なお、辰已の講座は3時間×8コマの計24時間の講義で、他校よりだいぶコンパクトです。
しかし、それで十分すぎます。
むしろ講義時間が短いぶん、自分でゴリゴリ勉強(アウトプット)できるので効率がいいです。
また、要件事実の講師は金沢幸彦先生で、代理権と倫理の講師は風間正樹先生です。
金沢先生の講義はすごくわかりやすいです。
大学2年のときに受けてた大学内の司法試験講座の講師が金沢先生でしたが、法律がほとんどわかってないぼくでもすごく理解しやすい講義でした。
そのときの講義は「6限目」という最悪の時間帯でしたが、先生の講義はおもしろかったので毎回楽しみにしてました。
金沢先生はそれくらいすごい先生で、要件事実の講義も相変わらずわかりやすかったです。
風間先生の講義もよかったです。
とはいえ、2コマだけだったためかあまり印象に残っていません。
でも「代理」と「倫理」でちゃんと点が取れたので、それは風間先生のおかげです。
ぼくは頭がいいほうではないので、辰已の講座がなければ認定に落ちてたかもしれません。
しかし講座を受けて要件事実などの理解ができ、勉強範囲(←これが重要)も知ることができました。
そのおかげであとは自分でゴリゴリ勉強するだけだったので、努力した結果7位合格です。
なので辰已の講座を取ってよかったです。
ちなみに、他校の講座は6~7万とかします。
でも辰已の講座が取れなくて、独学だと厳しいという人は思いきってLECかTACか伊藤塾の講座を取りましょう。
半数以上が落ちる試験なので万全を期して1回で受かったほうがあとあと楽だし安上がりです。
>>【LEC公式HP】リーガルマスター簡裁考査完全解明講座について詳しくはこちら
>>【TAC公式HP】「簡裁訴訟代理等能力認定考査」対策講座について詳しくはこちら
>>【伊藤塾公式HP】認定考査対策講座について詳しくはこちら
※聞くところによると、認定考査は2回目になると合格率がグンっと下がるそうです。
実務が忙しかったり、基礎知識が抜けるためだと思われます。
独学の人は「ながめてわかる!」をまず読もう
って人は以下の書籍をまず読むことをお勧めします。
この本は対話形式なので要件事実について知らなくてもサクサク読めます。
ぼくも同期に薦められて読みましたが、すごくわかりやすかったです。
独学の人がいきなりカトシン本を読むのは難しいので本書でワンクッション置きましょう。
あとぼくは使いませんでしたが、「認定司法書士への道」はたくさんの人が持ってました。
著者は記述で有名な伊藤塾の蛭町先生です。
そのため「ヒルマチ本」と呼ばれたりします。
使ったことがないので何とも言えませんが、カトシン本に並ぶ二大巨頭なので良いものだと思います。
ただ、カトシン本を持ってる人は買わなくて大丈夫です。
※2019年12月28日追記
ヒルマチ本は平成は一冊でしたが、令和になって三冊になったんですね。。ますます買わなくていいと思います。
過去問を解こう
認定の出題形式は司法書士の択一や記述と異なるため、過去問を解くのは必須です。
過去問は辰已に開示請求答案を提出してタダでゲットしましょう。
辰已に出すのがめんどくさいという人は出さなくても大丈夫だと思います。
というのも、大抵過去問はどこからともなく回ってきます。。
辰已の過去問で1つ注意点です。
タダで過去問がもらえるのはすごく有難いですが、解答の中に「これちょっと違うんじゃないかな」っていうのがいくつかありました。
もしあなたが違うかなと思ったらその点は適宜教材を参照してください。
それか、市販でも過去問は売ってるのでそれを買ってもいいと思います。
ぼくがとった認定対策の勉強法
①辰已を受講(1回目)
東京会の研修が始まる前の今くらいの時期にはりきって辰已の講座を受講し、8講義すべて聴き終えました。
でも研修が始まったら忙しくて全然復習しなかったので学習した内容はすぐに忘れました。
②「ながめてわかる!」を読む
「もうすぐ特別研修!」というのに要件事実の知識がスッポリ抜けていたぼくは、同期に薦められて先ほど紹介した「ながめてわかる」を読みました。
2周くらい読んだと思います。
ここで要件事実の記憶がだんだんよみがえってきました。
③辰已を受講(2回目)
特別研修から解放され浮かれてましたが、周りにつられて過去問を解いてみると全然解けず・・・。
そのため、前年に受けた辰已の講座をもう一度聴き直す決意をしました。
2回聴くことでさらに理解が深まったと思います。
④3冊の教材をグルグル回す
基本的に勉強は司法書士のときと同じように『5ヶ月合格法』の要領でテキストでインプット・アウトプットしてました。
勉強記録をつけてないので何周したかはわかりません。
でも範囲は司法書士と比べるとすごく限られてたので、その範囲をかなりやったと思います。
けっこう勉強してたので、そのうち
「上位50%にはなったやろ。」
という感覚を得ましたが、認定は絶対評価の試験のため心配性のぼくは頑張り続けました。
テキストでインプット・アウトプットする際はウロウロ歩いて音読しながらやってました。
「歩きながら音読でアウトプット」は最強の記憶法だと思ってまして、今もやってます。
⑤過去問を解く
教材をグルグル回しつつ、過去問もちゃんと解いてました。
過去問を解いてみないとどんな問題が出るかわからないからです。
過去問は2周やったか2周目の途中で終わったくらいだと思います。
さいごに
研修が始まると飲み会などで忙しくて勉強時間がとれません。
それに研修が終われば就職するという人もいると思います。
慣れない仕事を始めると覚えることが多くて認定の勉強どころではないでしょう。
そう考えると今が勉強する一番のチャンスです。
そのため今から認定対策をぼちぼち始めてください。
今やる頑張りが来年実を結びます。
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